介護用品選び方の注意点

浴槽手すり

介護用品を実際に選ぶとなると、何に気を付けて選ぶと良いのか、気になるところです。

家族が選ぶことが多い介護用品の、選び方の注意点をまとめてみます。

 

1.杖の選び方

高さ(長さ)

握ったときに、少しひじが曲がる程度が、力が入りやすいです。

具体的には、目安として、利用者の杖を、足先の前方15cmの場所に置いたときに、ひじが30度くらい、軽く屈曲した状態。

ただし、利用者の障がい状態や年齢、体格などでも微妙に違ってくるので、実際の使い心地で高さを決めましょう。

 

杖の種類の選定・・・体の状態に合わせる

杖は、多脚型、T字型、前腕固定型の3種類があります。

利用者の体の状態により、使う杖の種類も違います。

どのタイプが良いのかなど、よくわからない場合は

多脚型

支持面積が広く、安定が良い杖です。

3点型、4点型があります。

歩行時のバランスが悪く、安定しない時に用います。

 

歩行時の床が平坦な屋内で使い、屋外での外出歩行ができる場合はできるだけ使用しないようにします。

傾斜がある道路などではバランスを崩すこともあり危険だからです。

 

T字型

一般に杖といえばこのT字型杖を言うくらい浸透しています。

 

歩行状態が安定し、外出もできるレベルの方が使います。

昨今はオシャレな模様や便利な折りたたみ杖もあり、高齢者の行動範囲が広くなりました。

 

前腕固定型

 握力が弱いなど、手首に力を掛けられない場合に使います。

ロフストランドクラッチといいます。

多脚型やT字型よりも装着に多少の時間がかかります。

 

 

 

 

2.歩行器・歩行車の選び方

歩行器の種類は、前輪付き、固定式、交互式の3種類がありますが、主には前輪付きか固定式が使われます。

前輪付き歩行器

前輪付き歩行器は、前輪部に車輪がついているものです。

比較的広く、段差がない場所で使いますが、前方に重心がかかりすぎると、滑って危険です。

できるだけ、介添え者がいるときに用いましょう。

 

 

固定式歩行器

固定式歩行器は、歩行器を持ち上げて前に進みます。

上肢の運動機能に問題がないことを確認して用います。

歩行の耐久性が向上すれば、杖や伝い歩きに移行できます

 

 

 

買い物用歩行車(シルバーカー)

買い物型歩行車は、シルバーカーとも呼ばれ、昨今人気です。

在宅高齢者が買い物用などに用います。

疲れたら椅子代わりに座ることができます。

買い物の中身を収納することもできます。

 

選び方は、5.シルバーカーの選び方を参照してください

 

3.車いすの選び方

車いすは、電動手動がありますが、手動も自走用と、介助用の2種類があります。

自宅用は、自走・介助両用となっているものが殆どです。

 

手動車いす

自走用とは、利用者が車輪を自分で回し、自力で走行するもので、一般に大きくなります。

介助用は、介助者が後ろから押して走行させるもので、車輪が小さくなります

 

昨今は、自走・介助両用型が多く出回っています。

使用時、ブレーキには特に気を付けましょう。

ブレーキをかけ忘れて立ち上がり、転倒することがよくあります。

折りたたみ式のものは、横開き式と、縦開き式がありますが、

縦開き式では、クロスバーのない構造になっているため、

整地されていない屋外では、直進性や安全性に欠けるので、要注意です。

これから求める場合は、横開き式をおススメします。

 

電動車いす

一人で外出したい方や、上肢を動かす手動車いすを使えない状態の方などにおすすめです。

コンパクトで車椅子らしいデザインのものもありますし、シニアカーとして設計されているものもあります。

公道に出るタイプに乗る場合には、危険性を十分心得たうえで、認知機能などに問題がない方が利用します。

介護者やご家族は、踏切で立ち往生するなどの事故もあるので、行動範囲も把握しておきましょう。

 

4.スロープ、手すりの選び方

 

スロープは、車いすの移動の時や、立って歩く場合などに使います。

自走用車椅子の場合は、勾配をかなりゆるくします。

介助用の場合は、介助者の力や、操作能力を見極めたうえで、安定走行ができる勾配にします。

レール状の場合は、車輪の通る幅が狭いので、平面上のものより直進させる力が必要です。

 

 

手すりを付けるときは、利用者の握力や、上肢の力などの身体能力を十分に考慮します。

また、手すりは素材によってもつかんだ感覚が違います。

金属の手すりは安価ですが、冬場は冷たく、暖房が効いていない場所では大変つかみづらくなります。

 

予算がある場合は、木製の手すりをおススメします。

また、手すりの端が下に丸く折れていると、袖口が引っかかりにくく安全です。

 

5.シルバーカーの選び方

シルバーカーは、歩行車の一つです。

在宅の高齢者が、屋外での移動や散歩、買い物用に用います。

 

選び方のポイントは、重さ、大きさ、歩行の耐久性です。

 

ひざや腰に軽度の障がいがあり、杖だけではおぼつかなかったり、買い物もしたい場合などは、軽量で、コンパクトなもので良いでしょう。

 

 

 

障がいの程度が、重くなってくると、歩行の途中で座る場合に、コンパクトなものでは不安定です。

シルバーカー シルバーカー

ゆったり座れる大きさのもの。

できれば、しっかりしたひじ掛けがあり、立ち上がるときに、それを支えにして立ち上がれるタイプのものを選びます。

 

 

いずれも、折りたたみができるものが殆どです。車を使っての移動時に、車内に積載できるような大きさであることを確認しましょう

 

6.入浴用介護用品の選び方

浴室での、転倒や事故が、著しく多いのは、周知の事実です。

滑りやすいこと、外気との温度差も多いことなどにより、本来リラックスできる場所でありながら、危険地帯となっているのも否めません。

特に、足腰の弱っている高齢者は、リスクが高くなります。

介護・福祉用具を上手に使って、リスクを軽減しましょう。

まず、脱衣場の温度差に気を付けます。

特に冬は、低温での脱衣ということで、脳梗塞などが発生しやすくなります。

できれば、脱衣場には、暖房を用意しましょう。

 

お風呂場で、滑りやすいのは、まず床です。

滑りにくい浴室すのこを敷く。

シャワー椅子を置いて、立ちすわりを楽にする。

浴槽手すり手すりを付けて、つかまりながらの動作が出来る・・などが大切です。

 

 

 

浴槽が深い和式風呂などでは、浴槽内にもすのこを置き、椅子に座って湯船につかれるようにするのもおススメです

 

浴槽椅子は、ステップとしても使えるので、和式風呂の横に置いておきますと、未然に事故を防げます。

 

7.排泄用介護用品の選び方

排泄は、他人の介助を受けたくない、プライベートな事柄であるため、介助をする側もされる側も、心理的負担や、身体的負担が多くなります。

こうした負担をやわらげ、排泄の自立を促すことが、福祉用具の役割とも言えます。

トイレに行けない場合は紙おむつや尿器、伝い歩きが出来る場合には、便器やその周辺の用具の選択となります。

尿意や便意がある場合は、日中はトイレの使用を促し、夜間は、紙おむつやポータブルトイレを使用するなど、柔軟な対応をとる必要があります。

ポータブルトイレ

ポータブルトイレ

今ではポータブルトイレも家具のように置いておけるデザインになっています。

 

立ちすわりの面で、和式トイレは難しいため、和式であっても、ポータブル腰かけ便器などを利用して、洋式に変えることで動作が楽になります。

 

 

 

 

 

 

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